忘れられないクリスマス

クリスマスは色々な思い出があるのですが
中でも記憶に残るクリスマスは
今から数年前、パティシエをしていた時のクリスマスです。

大体お菓子屋さんって
X’mas前が忙しいんですよね
商品の発注や伝票書き、
ケーキの仕込に飾りの作成と
12月の初めくらいからわちゃわちゃしてます。
特にクリスマス前1週間は
朝始発夜終電近いというのもザラ。
休憩は昼の40分のみ

だから25日とか正直当日ケーキが出れば終了
お疲れ飲もう！！寝よう！！！
という流れがみんなの頭の中にあるんです。
けれど私の勤め先はホテルだったので
当日のケーキがでても
クリスマスディナーショー用コース料理の
デザート盛り付けが残ってるんです
それも500人前以上
18日から続いてるので1週間
正直ぐったりするし腰も痛い
それにショップが閉まっても
ディナーショーは18：00から。
皆ぐったりしながら
これさえ終われば、これさえ終われば！
という気持で挑むんです。
なのに前日・・・

「○○と××、明日会社に来れないってさ」

ガビー・・・・・・

そう・・このシーズン・・
過酷な労働条件で
体力の落ち始めている私達は
いとも簡単に病気にかかるんです（笑）
シーズン中熱を押して
頑張った同期ですがついに力尽きたよう
という訳で3年前のクリスマス、
まさかの少人数体制で
ラストのクリスマスショーに挑みました。

一つのお皿に盛り付けるパーツは
アイス・ケーキ・フルーツ5種類・
ソース2種類・クリスマス飾り・チョコレート
一体これを何往復して盛り付ければいいのか・・
考えるより先に手を動かして
中腰の姿勢で盛り付ける事2時間弱…
盛り付けた皿を冷蔵庫にしまい、
会場裏手からキッチンまで往復して
足りなくなったフルーツを切り、並べ、
補充してサービスに指示をだし
地下三階のデコレーション室から2階までを
何度も走って何度も走って
10時を回った頃、
終いには職場のテンションが可笑しくなって
誰ともなしに皆笑っていました（笑）
あれが頑張りじゃなかったら
何が頑張りだったんだってくらい
頑張ったクリスマスです・・・
それでも私達が作ったケーキが
その人の思い出に残るクリスマスを
演出できたなら
これ以上ない喜びなんですよね。

無理がたたって椎間板ヘルニアになり
パティシエを辞めた今、
こんなクリスマスは二度と来ない。
けれどちょっぴり寂しい気もする
パティシエ時代のクリスマスが
私の忘れられないクリスマスです

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